誰も住んでいない空き家を更地にすると、固定資産税が高くなるのは、住宅用地の特例措置が適用されなくなるためです。
詳しく解説します。
1. 住宅用地の特例措置とは
固定資産税は、土地や建物の評価額をもとに計算されます。通常、住宅が建っている土地（住宅用地）には、住民の生活基盤を守るための軽減措置が適用されます。これが「住宅用地の特例」です。
具体的には、土地の面積によって以下の特例が適用されます。
* 小規模住宅用地（200平方メートル以下の部分）: 評価額が6分の1に軽減されます。
* 一般住宅用地（200平方メートルを超える部分）: 評価額が3分の1に軽減されます。
この特例のおかげで、住宅が建っている土地の固定資産税は、更地の場合に比べて大幅に低く抑えられています。
2. 更地にすると特例が適用されなくなる
空き家を取り壊して更地にすると、その土地は「住宅用地」ではなくなります。そのため、前述の特例措置が適用されなくなり、土地の評価額が軽減されることなく、そのまま課税されます。
その結果、空き家があった時と比べて、固定資産税が数倍に跳ね上がることがあるのです。
まとめ
* 空き家がある時: 住宅用地の特例措置が適用され、固定資産税が安くなる。
* 更地にした時: 住宅用地の特例措置が適用されなくなり、固定資産税が高くなる。
このように、空き家を解体して更地にすることは、固定資産税の面から見ると、デメリットとなる場合があります。空き家をどうするか検討する際は、この固定資産税の増額も考慮に入れる必要があります。